ささいな交通事故の被害者を如何にして守るか
交通事故というのは私たち弁護士にとって、最もポピュラーなジャンルの一つということが出来ます。
しかし、交通事故で切り傷を負って病院に2週間ほど通院したが、幸い後遺症もなくて済んだといったケースで、被害者から交渉の依頼を受けたような場合は、とても辛いものがあります。
民事事件の着手金の最低額が10万円というのが一般的な基準になっていますが、和解金が10万円20万円位の事件で、そんな基準を適用する訳にはいきません。
さりとて、和解金の額と事件処理にかかる手間とは、必ずしも比例する訳ではありません。
このような事件を相談されるときは、いつも弁護士費用のことで頭を悩まさざるを得なかったのです。
ところが最近「権利保護保険」という保険が付けられているケースがみられるようになってきました。
従来自動車保険は、加害者側が付けるものと相場が決まっていましたが、この権利保護保険では交通事故被害に遭遇した人が自分の知り合いの弁護士に示談交渉・訴訟を依頼しても、その費用を保険会社が支払ってくれるのです。
このような保険に加入している方から相談を受けた場合は、示談金等は全額被害者に渡すことが出来るので、相談を受けた方に弁護士に相談したメリットを十分味わっていただけるのです。
権利保護保険制度は、私たち弁護にとっても小さな正義を守るための心強い味方になってくれております。もっと広がってほしいと願っております。