アウシュビッツを後にして、私たちは、松本さんのご主人と長いお付き合いのあるブロネク・ストッホさんを訪ねて、避暑地・スキー場として有名なザコパネ近郊の高原の村ゾンプ村に向かいました。
タトラ山地を望む、日本の「上高地」のようなところです。
ゾンプ村
<ゾンプ村>

その夜は、ブロネクさんのところで夕食をごちそうになりました。
ブロネクさんは心理療法士のようなお仕事をされている方で、音楽にも造詣の深い趣味人なのですが、地元では2014年のソチ・オリンピックのジャンプ競技で葛西紀明を抑えてポーランド唯一の金メダルを獲得した国民的英雄カミール・ストッホ選手のお父さんとして有名な方です。
ワインとおいしい食事をごちそうになった後、ブロネクのお姉さんが経営する近所のペンションに泊まることになりました。

翌日の5月1日の朝、ブロネクさん運転のボルボで、ゾンプ村の南側にあるザコパネとその奥に2000メートル級の山々が広がるタトラ山地を目指しました。
折しも観光シーズンの連休中とあってザコパネは観光客でごった返していましたので、ザコパネ観光はあきらめ、急きょタトラ山地の山麓を巡って南側スロバキアの湖を目指すことしました。
ポーランドから車で国境を越えることになったのです。湖の名前はブロネクさんもはっきり覚えていないようでしたが、「とにかく素晴らしいところだ」とのこと。
数時間のいろは坂を巡るようなドライブの後、目的地に到着しました。
まだ氷結している湖の畔を散歩し、二度と来ることはないだろうスロバキアの大地を踏みしめ、晩春の清々しい空気を胸いっぱいに吸い込みました。
それにしても、ここは何という観光地なのか?ブロネクさんも分からないようなので、現地の観光地図だけデジカメに写して、後で調べることにしました。
その結果、件の湖の名称は「シュトウルブスケ湖」、辺り一帯は「シュトウルブスケ・プレソ」という観光地ということが判明しました。
シュトウルブスケ湖
<シュトウルブスケ湖>

このドライブの後の夕食も、ブロネクさんの奥さんお手製の地元の料理を堪能させていただきました。
ごちそうさまでした。
ブロネク夫妻・松本夫妻と
<ブロネク夫妻・松本夫妻と>

5月2日朝、ゾンプ村を出発してバスでザコパネまで行き、そこから長距離バスでクラクフへ戻りました。
そして、バベル城を訪ねました。14~16世紀にポーランドの首都として栄えたクラクフの王城です。
バベル城
<バベル城>

ここのバベル大聖堂は、11世紀創建、歴代ポーランド王が戴冠式を行った場所で、歴史的英雄が埋葬されています。2010年飛行機事故で亡くなったカチンスキ大統領夫妻も埋葬されています。
バベル大聖堂
<バベル大聖堂>

王城は、回廊の巡る王宮内庭、美しい庭園や博物館など見どころ満載ですが、1時間ほどで、近くのシナゴグ見学に向かいました。
王宮内庭
<王宮内庭>

庭園
<庭園>

ポーランドは歴史的に宗教に寛容で、1096年ドイツから迫害を逃れてユダヤ人がポーランドに移り住んで以来、ポーランドには多くのユダヤ人が住み着いていました。
クラクフのカジミエシュ地区は、そのようなユダヤ人街の一つでした。
ナチスのユダヤ人大虐殺で、の地域からユダヤ人は一掃されていました。
最近、イスラエルやアメリカの資本投下で、この地域の再開発が進んでいるようです。
シナゴグ
<シナゴグ>

シナゴグを見て、雨宿りに、ユダヤの喫茶店に入りました。店内には壁一面にユダヤ教の僧ラビが描かれ、ユダヤ教のシンボルとなっている7本組の燭台メノーラーが置かれていました。
ラビが描かれたユダヤ喫茶店内
<ラビが描かれたユダヤ喫茶店内>

メノーラー
<メノーラー>

カジミエシュ地区を散策後、クラクフ駅からワルシャワに戻り、松本宅にお世話になることにしました。