簡素な石造りの真間山弘法寺山門から急峻な階段が続きます。
階段を登り切ったところに立派な仁王門があります。
この門は、明治21年の火災による焼失を免れ、左右を金剛力士像に守られて
います。正面左側の力士が吽形(うんぎょう)、右側の力士が阿形(あぎょう)で、二力士併せて二王になっているとのこと。中々迫力があります。
弘法寺は、奈良時代行基が手児奈の霊を供養するため建立した求法寺にはじまると言われております。その真偽までは分かりませんが、この地は、国府の設置された古代以来下総国の中心地であったため、古くから寺院があった可能性は高いと言われています。
平安時代に空海が伽藍を構えて弘法寺と改称、その後天台宗に改宗、鎌倉時代に日蓮宗に改宗、と何度も宗派を変えて現在に至っています。
江戸名所図会にも描かれている名刹です。
境内には、有名な伏姫桜があります。残念ながら時期を外してしまいましたので、花の盛りは写真から想像してみて下さい。
ここには、小林一茶の「真間寺で、斯う拾いしよ 散紅葉」、水原秋櫻子の「梨咲くと 葛飾の野はとのぐもり」等の句碑もあります。
境内を西に歩むと大黒堂があります。
更に西へ行くと珍しいものがあります。弘法寺古墳です。全長43メートルの前方後円墳で、6世紀後半から7世紀初頭頃のものだそうです。「こんなところに古墳が!」と興奮しましたが、残念ながら半壊状態になっており、ちょっと見ただけでは古墳とは分かりません。きちんと学術調査はされているのか心配です。
「立石様」を訪ねた折、葛飾区の南蔵院裏に古墳があったと聞いて、「こんなところに古墳が!」と驚きましたが、どうも江戸川下流域では古墳の存在は珍しいものではないようです。
次回は弘法寺を後に、里見公園に向かいます。