東武電車の鐘ヶ淵駅から徒歩7~8分で多門寺に到着。隅田山吉祥院多門寺は、縁起によれば平安期天徳年間(957~961年)の創建、はじめ隅田川沿いにあり、天正年間(1573~1592年)に現在地に移ったと伝えられています。
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山門は、木造茅葺切妻造で四脚門形式をとる明和9年(1772年)に再建されたものです。同寺に残存する唯一の江戸期の建築物で、墨田区内現存の木像建築の中で最古のものです。墨田区内で茅葺屋根の建造物を見ることができるだけでも感激ものですが、中から一休さんでも出てくるのではないかと思わせる趣きのあるものです。20年振りの大雪後の山門を味わってみてください。
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掃き清められた境内の庫裏そばには、鎌倉期に制作されたものと思われる板碑があります。板碑は鎌倉から室町の乱世、死と直面していた武士達の「死の不安」「生きるために人を殺す罪の意識」と浄土教の教えが結びついて盛んに作られるようになったと言われています。その性格は、追善供養(死者の冥福)から作善供養(善根を積むこと)へ、更に庚申待供養(現世・来世の供養)へと変化していきました。
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参道入り口右手の祠には、石造庚申塔が安置されています。庚申待供養のために建立されたものです。総高145センチ、舟形光背を持つ阿弥陀如来立像で、寛文4年(1664年)に造立されました。庚申信仰とは、人の体内にいる三尸(さんし)の虫が庚申の夜に抜け出して天帝にその人の罪科を報告し、これによってその人の寿命が決められると信じられていたため、庚申の夜を眠らずに過ごして三尸を封じ込めておくという民間信仰です。
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境内右手には石造六地蔵坐像が安置されています。六地蔵は立像が一般的とされており、珍しい例とされています。
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さて、いよいよお目当ての毘沙門天です。空海作と伝えられ、本堂に本尊として安置されています。仏教を守護する帝釈天の配下の四天王の一神で世界の中心に立つ須弥山の北方を守護している神で、別名多聞天とも言われています。
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