今回は、江戸川区の3つの白髭神社を訪ねます。

 まず訪ねたのは、一番東側にある一之江白鬚神社です。

 神様は、都営新宿線一之江駅からそう遠くないところに鎮座されております。今から300年程前、田沢伝左衛門により伊勢大神宮を勧請して創建されたとの由。村の有力者の手になるというその創建のいきさつによるのでしょうか、村の鎮守様の雰囲気一杯の神社でした。

    一之江白髭神社鳥居    一之江白髭神社拝殿

 社務所の壁に、「厄払い、地鎮祭、初宮参り、その他祈願執行 宮司まで」との広告板があり、連絡先に「新小岩香取神社」の記載がありました。

    一之江白髭掛け持ち

 白鬚神社の宮司が新小岩香取神社の宮司を兼務されておられるということでしょうか。これってありか?と思い調べてみると、江戸川区内に神社は56社あるも、宮司さんは7人しかいらっしゃらず、必然的に兼務せざるを得ないご様子。神様の世界は人手不足で大変なのですね。

 次に訪れたのが、東小松川白髭神社でした。

 神様は、一之江白髭神社から西へ直線距離で2キロ程行った江戸川競艇場のそばに、鎮座されています。

  東小松川白髭鳥居    東小松川白髭拝殿   東小松川拝殿②

建治年間(1275~1278年)創建と伝えられる古社で、境内では嘉永7年(1855年)の銘のある狛犬がお守りしています。

   東小松川白髭狛犬

境内には、中川放水路開削に伴い、浮洲明神社が遷座されています。

   東小松川白髭浮洲

 この神社、漁民の崇敬厚く、三代将軍家光より社領6石を拝領していたとのこと。

 さて、白髭神社巡りの掉尾を飾らせて頂いたのが、平井白髭神社です。

 当社の創建も東小松川白髭神社と同様建治年間(1275~1278年)と伝えられており、この両社には何らかの関係があると思われますが、どこにもそれを覗わせる記載はありませんでした。

    平井白髭神社鳥居   平井白髭神社拝殿

  最後は些か駆け足になってしまいましたが、最後にうんちく話にお付き合いください。

  実は白髭神社の髭には、大きく言って「髭」「鬚」「髯」の3種類があります。

  「髭」は口ひげ、「鬚」はあごひげ、「髯」は、頬ひげを意味し、関西では白鬚が、関東では白髭が多いと言われています。

  そこで、これまで歩いた8社を振り返って見ます。白鬚神社が、墨田区の向島と江戸川区一之江にある1社の合計2社、白髭神社が墨田区立花・東墨田の2社、江戸川区平井・一之江にある2社、葛飾区四つ木にある「四つ木白髭神社」と同区東四つ木にある「渋江白髭神社」の2社を加えた合計6社になり、何故か白髭神社が圧倒的に優勢となります。

 その理由は、まだ分かっておりません。またお会いする機会があったら、顎鬚の今井宮司にご教示頂きたいと思っております。